映画・累・感想・考察

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映画|累・かさね・ネタバレ有り感想・考察~例えるならドロドロ版ひみつのアッコちゃん・土屋太鳳は悪役の方が良い

 

映画かさねネタバレ感想考察です。

率直に面白かったですね。

漫画読んだから、映画で見なくてもいいかなと思ったのですが、実写にしか出せない味と言いましょうか。

原作、漫画よりも実写映画の方が良かったかもと思うくらいでした。

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映画・累(かさね)とは

原作者の、松浦だるまは、イブニング新人賞受賞者です

『美醜』をテーマに描く衝撃作!!

キスした相手と顔が入れ替わってしまう口紅と出会った女性たちの喜怒哀楽を鮮やかに描く。

主演

土屋太鳳~代表作『トリガール!』など

芳根京子~代表作『心が叫びたがってるんだ。』など

参考心が叫びたがってるんだ(ここさけ)アニメと映画を見て比較・感想・ネタバレ・考察

のw主演です。

原作

松浦だるまの人気漫画を実写映画化したものです。

監督・脚本

監督は、『ストロベリーナイト』シリーズなど佐藤祐市

脚本は、『GANTZ:O』などの黒岩勉が担当している。

累・公式

累・かさねあらすじ

伝説の女優の娘・淵累は卓越した演技力を持ちながら、自分の醜い外見にコンプレックスを抱いて生きてきた。彼女の母親は、キスした相手と顔を取り替えることが可能な謎めいた口紅を娘にのこす。一方、舞台女優の丹沢ニナは、容姿に恵まれながら芽が出ずにいた。やがて二人は出会い反発し合いながらも、互いの短所を補うために口紅の力を使うことにする。

Yahoo!映画より引用

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累(かさね)土屋太鳳・芳根京子の演技の感想

簡潔に言うと、土屋太鳳の悪女っぷりが良かった

どうしても、主役って「良い子ちゃん」のことが多くなりがちですが、(青空エールの時もそうですが・・・)

参考土屋太鳳主演映画⇒映画・青空エール(ネタバレ)感想・考察~甲子園がやっていると見たくなる夏にぴったりの映画

全然良い子じゃない、土屋太鳳は新鮮でしたね。実に良かったです。

 

実は、私土屋太鳳の「良い子ちゃん」があまり好きではなく、いつも口角上げてキラキラした印象が強すぎて、少々胸焼け気味でした。

 

しかし、今回の、累(かさね)では、土屋太鳳演じるニナは、欲望にどん欲なイヤーな女でした。

初対面の累にまで食ってかかるくらいのどう猛さ。

 

「丹沢ニナ」と言う、女優としての自分の名を上げるために、分身の累を使ってまで名声が欲しいというアグレッシブな女性です。

 

ストーリーの中では、顔が変わり、ニナの代わりに演技力が抜群の累が演じる訳ですが、当たり前ですが、実写です。

顔が変わっても演技力に定評のある累に代わっている訳ではない。

土屋太鳳が、1人2役で、ニナと累の緩急を演じないといけない訳です。

その使い分けが、実にうまかったですね。

 

一方、芳根京子

顔交換の話なので、1人2役を同時に演じる訳ですが、こちらは土屋太鳳のように演技でキラキラしている部分はありません。

じめじめとした暗ーい劣等感の塊の累か、芳根京子がニナになっている時は、自分の代わりが、スポットライトが当たっている時です。

面白くない様子、不服不機嫌なニナを演じることになります。

 

そういう意味では、ちょっと芳根ちゃん可哀そうでしたよね。じめじめか、イライラかのキャラです。

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累(かさね)全体のストーリー考察(ネタバレあり)

口裂け女(顔に傷を持つ)でこの世のものとは言えない醜い容姿を持つが、実は伝説の女優・淵透世の娘で、演技力抜群の淵累(芳根京子)。

一方、絶世の美を持ちながらも、くすぶっていた女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)

要は、絶世の美女(ニナ)と、絶世の醜い女(累)です。

この2人の主人公の物語です。

設定は、キスで顔交換ができ、交換できる時間はちょうど12時間。

ココがポイント

女優のニナが、演技力抜群の、累を顔交換で利用してまで、のし上がろうとする話です。しかし、実は、累がニナの顔を奪ってニナの人生を乗っ取っていることに気付いていきます。

ニナの秘密

ニナは、5か月も眠り続けてしまうなどの、長期で眠り続けてしまう持病があります。

ニナが眠りに落ちてしまえば、累は、簡単に顔交換ができる。

この眠り続ける病気をいいように利用されてしまい、ニナの想い人烏合も、そして、最愛の母親すらも、累に奪われた気持ちになってしまいました。

 

累も最初は、そこまでの気持ちはなかったのですが、羽生田にそそのかされ、また注目を浴び、はっきりと、ニナを乗っ取る気持ちが芽生えます。

 

ドロドロしたドンパチが続きます。

 

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羽生田のやり口はうまい

やり口が、うまいのが演出家を名乗る羽生田です。

この男が曲者。

たまに、AさんにはBさんの悪口を言って、Bさんには、Aさんの悪口を言う、うまーい人っていますよね。

まさにそのタイプです。

羽生田は、淵透世の演技に、惚れ込んだ男です。

羽生田が突き動かされているものは、「透世の再臨が見たい」透世に、累のことを頼まれたと言っていますが、いくら頼まれたって、こんなややこしい話に、付き合いきれるものじゃありませんよ。

羽生田は演出家を自称しているだけあって、演技への想いが強いのでしょう。

羽生田がうまいこと言って、ニナと累をコントロールして、2人の欲望に火に油を注いでしまったってところですね。

烏合をめぐる三角関係

烏合をめぐる争いは、原作と違う描かれ方をしていました。

絶対零度とキャラ被りするかのような、烏合零太演じるのは、関ジャニの横山裕(笑)

冷静沈着で、新進気鋭の舞台演出家の役どころです。

この方、ヒルナンデス!などで、バラエティー番組での大阪弁の印象が強すぎて、クールな役やっていてもなんだか入ってこない部分があったりします。


三角関係は、定番ですけどうまいです

ココがポイント

ニナは、昔1度会ったことあって憧れていたのが烏合。

累は、ニナの烏合への気持ちを知りつつも、どんどん烏合に魅かれていく。

累に魅かれていく烏合は、ニナの顔を持つ累と舞台の外でも会いたいと迫ってくるようになりました。

累は、ニナに顔の延長を頼んで、12時間の時間制限が切れる前に、もう一度顔交換のためのキスをニナにお願いしました。

ココがポイント伏線

ニナは承諾した素振りをして、累を騙します。顔交換せずにニナ自身が烏合に会いに行きました。

 

このシーンは、後々大事な伏線にもなってきます。

 

家でしょぼくれてニナの帰りを待つ累に、ニナは、狂気すら入り乱れ勝ち誇り、烏合に抱かれたと喜んでいました。

しかし、後々分かるのですが、ニナは烏合に抱かれてはいませんでした、烏合が惚れたのは、心に闇を持つ累の心を持つニナです。

 

このように次々とニナにとって劣等感を感じる事態が起こるのです。ニナにとっては、まさに、こんなはずじゃなかった状態。

累と烏合は結ばれつつも、累はどんどん演技が認められ付き合っている暇もなくなってしまいました。

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魔法の口紅

魔法の口紅の発想が一番この作品のキーポイントでありナイスなポイントだと思います。

累の母親、伝説の女優・淵透世の形見の口紅。

これが、魔法の口紅です。

この口紅を使うと、「なりたい顔」を奪えるのです。

容姿に劣等感のあってもなくても、女性にとってメイクとは、まさに「なりたい顔」になる手段です。

「他人の顔を奪う」は、メイクの、ずっと延長線上の考えではありますが、そういう思いって分からなくもないですよね。

顔だけでなくても、「あの人の人生がうらやましい」というのは、誰にだってふとした瞬間に起こるものです。

 

ひみつのあっこちゃんが、「テクマクマヤコンテクマクマヤコン」とやりますが、あれに近いですよね。

ココがポイント

顔が変わるという魔法に酔いしれますね。でも、【累】という作品は、ふわふわした、現実逃避の話ではありません。人間の泥臭い部分が存分に盛り込まれた作品。

 

そこの緩急が、良いところだと思います。

 

烏合のところで伏線としましたが、烏合に会いに行こうとした時、顔延長の時に、累はニナに騙されます

映画「累」のサロメの舞台で、ニナが実は眠りから覚めているのに、眠り続けているふりをして、魔法の口紅を普通の口紅に、すり替えておいて、舞台の上で累の醜態をさらしてやろうという作戦がありました。

 

しかし、累はもう騙されません。

ニナは、嫌なら嫌と最初から断ればいいものの、ニナが累を落としれる作戦って手が込んでいます。

 

累は、顔が戻る瞬間を計算して舞台の上では顔は元に戻りませんでした。

眠っているニナに、私の演技を観に来てねというようなことも含めて累の作戦で、ニナをサロメの舞台におびき寄せるのに成功しました。

かなり、危ない賭けに出る累です。

 

ニナを屋上におびき寄せた累は、隠し持っていた口紅を出し、サロメの舞台を完成させるために、キスを迫ります。

もみ合いになった2人は、屋上から落ちてしまいます。

落ちた先は、テントの上でしたが、ニナは重症救急車ものです。

しかし、累は、多少痛そうにするものの、むくりと起き、ニナ(土屋太鳳)にキスをして顔を取り戻して、サロメの舞台に戻ります。

 

累ビルから落ちたのに、演技に戻る執念たるや・・・

 

ココがポイント

屋上から累もニナも落ちるところは、幼い頃、累が最初に学芸会で顔を奪った子は学校の屋上から落ちました。それの伏線の回収でもあります

 

サロメの舞台と累とニナの関係は

映画・累に出てきた、サロメの舞台とは?累とニナはどういう関係にある?

サロメのあらすじを詳しく

サロメは、実の母の現在の夫であり王様のエロドに気に入られていた。エロドはサロメの実の父の弟である。サロメの父親はエロドによって殺されたのだ。

サロメは、エロドにいやらしい目を向けられる。しかし、サロメは閉じ込められていた預言者ヨハナーンに恋をする。

しかし、ヨハナーンは、「なんだこの小娘」といった程度で相手にされない。

ダンスをしろとエロ爺のエロドに要求されたサロメは、ダンスをした褒美にヨハナーンの首が欲しいと言う。

ヨハナーンのことを嫌っていた実は母、一瞬喜ぶが、ヨハナーンの生首にキスをして喜ぶサロメを見て、エロ爺のエロドは、サロメを気味悪がり、殺させる

サロメの話も強烈ですね。

 

エロドは、サロメの兄から「王の座」も「妻」も奪った。

さらに、娘のサロメにも、いやらしい目をする。

王様は奪うのが得意!

 

そんな中で育った、サロメは得意のダンスをして、恋焦がれるヨハナーンの首を手に入れた。

 

サロメは得意のダンスで褒美をもらい、累は、得意の演技で褒美をもらう

首を手に入れたサロメと、顔を手に入れた累

 

どっちも歪で奇妙ですよね。毎日眠っているニナを世話している累は愛情が芽生えたのでしょう。友達もいないかわいそうな累ですから

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映画・累・主題歌

主題歌は、AimerのBlackBirdです。

 

まとめ

「他の誰かになってみたい」と思うことはだれしもあると思います。

また、ニナの美貌のように優れた面を活かしきれていないのは、ある意味残念なことですね。

そういう意味では、「顔交換」はある意味、ひみつのアッコちゃんの「テクマクマヤコン」的な要素があると思いました。

もっとずーっとドロドロしていますけどね(笑)

映画の仕上がりはかなり良かったです。

期待以上です。

映画館に観に行ってよかったと言える作品です。

私は、実際漫画より実写の方がよかったと感じました。

実写のファンの方もそうでない方もお勧めの一作です。

今なら、漫画累1・2話無料で読めます。漫画無料で読んだ感想も書いています

映画・累かさね・原作漫画を無料で読める方法と感想・気になったこと

累(かさね)の漫画は、10月11日まで、U-NEXTと、フジテレビ公式動画配信サービス【FODプレミアム】で1巻と2巻読むことができます。

映画も、最終巻14巻も、9月7日に公開&出版されました。





(2018年9月7日時点のものです。時間経過した場合は、配信が停止されている場合もありますので、U-NEXTフジテレビ公式動画配信サービス【FODプレミアム】にてお確かめください。)

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