下町ロケットの続編2の放送が決定されました。
池井戸潤原作の作品は半沢直樹・下町ロケット・陸王などなどTVドラマでも大人気ですよね。
そんな池井戸潤さんの代表作の一つとしても有名な【空飛ぶタイヤ】が、長瀬智也主演で他の主要キャストに・ディーン・フジオカ・高橋一生と人気のある豪華アラフォー男性陣で映画化されました。
池井戸潤の初の映画化作品が【空飛ぶタイヤ】です。
空飛ぶタイヤの感想・考察ネタバレのレビューになります。
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映画空飛ぶタイヤ・あらすじと評判
映画のあらすじは、こちらになります。
よく晴れた日の午後に、1台のトレーラーが起こした脱輪事故。
整備不良を疑われた運送会社社長・赤松徳郎(長瀬智也)は、警察で信じられないことを聞く。
突然タイヤが外れた、と。
港北中央署刑事の高幡(寺脇康文)らに整備不良を疑われ、世間やマスコミ、銀行からもからバッシングをされる毎日。自暴自棄になりながらも、赤松運送の専務・宮代直吉(笹野高史)、整備士・門田駿一(阿部顕嵐)や妻・史絵(深田恭子)の支えもあり、独自の調査を開始した赤松は、車両の構造そのものに欠陥があるのではないかと気づき、製造元の大手自動車会社・ホープ自動車へ再調査を要求する。引用:映画空飛ぶタイヤ公式
評判はこちらになります。
Yahoo!映画・作品ユーザーレビュー4.13(6/18時点)
ぴあ映画初日満足度92.1点(6/16)
空飛ぶタイヤとは
2006年に単行本化された累計170万部を突破した作品です。第28回吉川英治文学新人賞、第136回直木三十五賞候補作です。
タイヤの脱落事故が発生したことによって、大手自動車メーカーのリコール隠し発覚した作品です。
2002年に発生した三菱自動車製大型トラックの脱輪による死傷事故、三菱自動車によるリコール隠し事件などを物語の下敷きとしている
wikipediaより引用
空飛ぶタイヤ・WOWOWでドラマ化
2009年にはWOWOWドラマとしてドラマ化されています。こちらは、全5話の作品です。ドラマ化の次に映画化になっている作品なので、それだけ見ても人気がある作品であることは明瞭ですね。
空飛ぶタイヤ・キャスト
WOWOWのドラマと映画のキャストを比較してみました。
役名 | 映画 | ドラマ(WOWOW) |
赤松運送・赤松社長 | 長瀬智也 | 仲村トオル |
ホープ営業課長・沢田 | ディーン・フジオカ | 田辺誠一 |
狩野常務 | 岸部一徳 | 國村準 |
品質保証部・杉本 | 中村蒼 | 尾野真千子 |
車両製造部小牧 | ムロツヨシ | 袴田吉彦 |
銀行員・井崎 | 高橋一生 | 荻原聖人 |
記者の榎本 | 小池栄子 | 水野美紀 |
刑事・高幡 | 寺脇康文 | 遠藤憲一 |
銀行員・井崎 | 高橋一生 | 荻原聖人 |
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リコール隠しの当時の世の中を反映している?
映画【空飛ぶタイヤ】は、記者の榎本(小池百合子)赤松の妻(深田恭子)被害者くらいしか女性は出てきません。女性キャストどれもが、自動車会社の内部の人間ではありません。
リコール隠しが行われていた【ホープ自動車】が、昔ながらの男性社会の体質を色濃く表現したかったのでしょうか。
映画を観て個人的に違和感を感じた部分はその点でした。
2018年の現代で、肌で感じる世相として、現代では、メーカーはなかなかリコール隠しがし辛いという点です。メディアを通じてすぐに各社発表して回収しています。
という部分が腑に落ちなかったのですが、今回まとめてみて、納得しました。
2002年に起こった自動車会社のリコール隠しがあった
2006年に単行本化される
2009年にWOWOWドラマ化される
2018年に映画化される
リコール隠しのあった16年後の現代です。
ぱっと感じた感想は「古いな」でした。
しかし、そこは2018年の映画です。物語を2018年の現代に合わせている部分もあります。
例えば、ネットで誹謗中傷の被害に遭うなどです。
未だに、古い体質が残っている会社も、勿論あることでしょう。
「古さ」を表現するためにも、ホープ自動車会社の「品質保証」の大事な証拠を握っているキーマンを男性の「杉本」に変えて、物語の全体のバランスを整えているのだろうなと感じました。
空飛ぶタイヤの舞台は、まさに「THE男社会の縦社会」です。
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空飛ぶタイヤ感想・考察
それぞれの立場で、それぞれの事情が絡み合い、人間ドラマを凝縮したお話です。
「本当濃い」というのが印象です。
赤松運送赤松社長(長瀬智也)の立場
中小企業の人情派の社長さんです。
熱い男で、一本筋が通っている人です。
- 従業員想い
- 警察に疑われる
- 被害者に「人殺し扱いされる」
- 大手企業相手に屈しなかった
真実を追い求め、幾多の困難に遭遇するも、結果的に最後まであきらめなかった。
1億円を提示されるも、真理がねじ曲がってしまうと、受取らなかった。
社員想いだからこそ、社員もその熱意に応えたいと動く。
また、社員ばかりでなく、敵である沢田(ディーンフジオカ)の心をも動かすことができたのは、この赤松社長の人柄もあると思います。
追い込まれて、夜間にスピードを出して、自暴自棄の運転を仕掛けましたが、冷静さを取り戻してくれてよかったです。
ホープ自動車カスタマー戦略課課長沢田(ディーンフジオカ)の立場
ホープ自動車カスタマー戦略課課長の沢田(ディーン・フジオカ)は、再三にわたる赤松の要求を疎ましく想いながらも、同僚の小牧(ムロツヨシ)や杉本(中村蒼)と調査を進めていく内に、社内でひた隠しにされる真実の存在を知る。
沢田は総合的に、優秀な企業戦士だと思いました。
最初は、赤松社長(長瀬)を無視続ける。一企業の社員としての立場”心のない””血の通っていない”対応をし続けるも、徐々に変化していきます。
この物語は、この人に掛かっているというくらいキーマンです。
沢田の心の変化は、実に人間らしい動きだなと思いました。
ホープ銀行・本店営業部・井崎(高橋一生)の立場。
ホープ銀行の本店営業本部・井崎(高橋一生)は、週刊潮流の記者・榎本(小池栄子)から、グループ会社であるホープ自動車について探りを入れられる。
そして、ずさん過ぎる経営計画と「リコール隠し」に辿り着く。
グループ会社だからと言って融資をしていいのだろうか?という想い。
井崎は、秘めた想い、熱量が強い男で、本質は熱い信念を持っている。
最後、榎本とよりを戻す?的な話も出て和やかなムードで終わりました。
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空飛ぶタイヤ・主題歌
サザンオールスターズ「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」です。
歌詞が、「空飛ぶタイヤ」にピッタリです。
まとめ
池井戸潤原作作品は、働く男たちが、勝利にたどり着く軌跡を表現した作品が多いです。
まさに、「空飛ぶタイヤ」は池井戸潤作品濃度100%とも言えるべき作品でした。
そして、空飛ぶタイヤは、熱い男たちの戦いと、不正をただす社会派の映画でした。
自分達の潔白を証明するのも戦いですが、不正を内部告発するのも、また戦いです。
あってはならないことにたどり着いた時どうするか?
巨大権力にちっぽけな存在の自分が、どう立ち向かうか?勝つ戦略はあるのか?
人の想いが交錯して、良いタイミングや、真実が明るみになり報われることの素晴らしさ。
また、そういう時こそ、一人では戦えない事。みんなの力が合わさって辿り着いた勝ち得たゴールだったと思います。
正義は勝つ、勝って欲しいと切に思う映画でした。